グリーンランドでかつて行われていた「強制避妊政策」が、今大きな注目を集めています。
1960年代、13歳の少女たちにまで無断で避妊リング(IUD)が装着されていたという衝撃の事実が明らかになり、現在、被害者たちはデンマーク政府に補償を求めて声を上げています。
この記事では、そんな「グリーンランド 過去 避妊政策」の全貌をわかりやすくまとめました。
この記事でわかることはこんな感じです👇
・なぜ少女たちに避妊リングが装着されたの?
・政府はどんな意図でこの政策を進めたの?
・被害者たちは今どんな補償を求めているの?
・デンマーク政府の謝罪と今後の動きとは?
・同じような人権侵害は他の国でもあったの?
デンマーク政府が行った強制避妊政策とは?
グリーンランドで1960年代に行われた強制的な避妊政策は、今なお多くの人々に深い傷を残しています。
当時、少女たちが同意も知らされることもなく避妊リング(IUD)を装着されていた事実が明らかとなり、デンマーク政府に対して人権侵害としての責任追及が高まっています。
同化assimilationとは、長期的なスパンで実行される民族浄化ethnic cleansingなのか。
— Naoko Tate (@naotate1) January 5, 2026
『グリーンランドの女性たち、過去の政府による強制避妊めぐり補償求める』2023年10月3日 BBC https://t.co/czcEpjtCCg https://t.co/7HKmnjeEIj
1960年代に実施されたIUD装着の背景
1960年代、グリーンランドでは急速な人口増加が進んでいました。
デンマーク政府はこの状況に対し、社会福祉コストの抑制を目的に「産児制限政策」を進めるようになります。
その一環として、グリーンランドに暮らす10代の少女や若い女性たちに対し、同意のないまま子宮内避妊器具(IUD)を装着する処置が施されていきました。
記録によれば、1966年から1970年の間に少なくとも4500人が対象となっており、最年少でわずか13歳というケースも存在していました。
この政策は、グリーンランド先住民であるイヌイット系住民の出生率を下げるために行われたとされており、人種的な差別構造や植民地支配の延長線上にあったとみる声もあります。
今では人権侵害と認定されてもおかしくないこの政策が、当時は“人口政策”という名のもとで静かに進められていたのです。
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— AxCxAxBx (@surepinuj) January 5, 2026
"過去にはデンマークによってグリーンランドの先住民に対する人口抑制策が実施され、先住民の女性はIUD(子宮内避妊具)の装着を強制され" https://t.co/kNpsnIbN5N
同意なしの処置と少女たちの証言
強制的な避妊政策によって最も深い傷を負ったのは、当時IUDを装着された少女や若い女性たち自身です。
多くのケースでは、本人に何の説明もなく、学校や病院で突然処置が行われていました。
心理学者であり、補償運動を主導しているナジャ・リバースさんもその一人で、彼女は学校で避妊リングを装着された経験を公にしています。
その後、リバースさんは子どもを一人出産したものの、ほとんどの女性は不妊症になってしまったと証言しています。
また、自身の体に器具が入っていることすら知らされず、大人になってから婦人科検診で初めて発覚したという女性も複数存在しました。
装着されたIUDが身体に合わず、激しい痛みや合併症を起こしたケースもありましたが、当時は訴える術もなく、多くの女性が沈黙を強いられてきました。
彼女たちは、避妊という選択を「奪われた」だけでなく、その後の人生にも大きな影響を受けたのです。
この証言の数々が、デンマーク政府に対する補償請求と社会的責任追及の原動力となっています。
グリーンランドに隠された人権問題の闇とは?
グリーンランドで行われた強制避妊政策は、単なる医療処置ではなく、国家による「人口コントロール」の手段だった可能性が高いとされています。
人口コントロールという名目のもとに
この避妊政策の背後にあったのは、社会福祉予算の削減と、人口増加の抑制という政府の思惑でした。
表向きは医療行為として行われたIUDの装着も、実際には経済的・政治的な管理の手段として機能していたのです。
当時のデンマーク政府は、先住民であるイヌイットの人口が増えることで社会保障費が増加することを懸念していたとされます。
結果として、本人の同意なしに避妊リングを装着するという人権侵害が、あたかも「善意の医療行為」であるかのように進められていきました。
こうした政策は、明確な差別的構造の中で行われていたという指摘もあります。
同じ北欧の福祉国家であるスウェーデンでも、過去にサーミ人への不妊手術が行われた例があり、人種や民族の違いが政策決定に影響を与えていたことは否定できません。
つまり、避妊政策の本質は「医療」ではなく、「支配」と「統制」だったのです。
被害者たちの現在と補償要求
数十年の沈黙を破り、被害を受けたグリーンランドの女性たちが今、立ち上がっています。
彼女たちは、デンマーク政府に対して正式な謝罪と金銭的補償を求める行動を起こしました。
中心となっているのは心理学者のナジャ・リバースさんで、彼女を含む67人の女性が2023年に一人あたり30万クローネ(約630万円)の補償を求めて書簡を提出しました。
リバースさんは「調査結果を待っていられない。私たちは年老いていくばかりだ」と語り、即時の対応を訴えています。
実際、対象となる女性たちは現在70代から80代に達しており、時間との戦いでもあります。
デンマーク政府とグリーンランド自治政府は、2025年までに調査委員会の結果を公表する予定ですが、被害者たちはそれでは遅すぎると感じています。
今もなお、身体的な後遺症や心の傷を抱えて生きている人も多く、補償は単なる金銭的支援ではなく「人間としての尊厳回復」の意味を持っています。
謝罪と補償の動きは進んでいるのか?
グリーンランドで行われた強制避妊政策を受けて、デンマーク政府はどのように向き合っているのでしょうか。
【デンマーク首相、グリーンランドの先住民に対する強制避妊措置を謝罪】
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) September 26, 2025
🇩🇰デンマークのフレデリクセン首相は、自治領グリーンランドを訪れ、主に1960年代から70年代にかけて先住民のイヌイットを対象に行った強制避妊を謝罪した。… pic.twitter.com/08WDb03MGy
デンマーク首相による公式謝罪
2025年9月24日、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、グリーンランドの中心都市ヌークを訪問し、現地で避妊政策の被害者たちに対して正式な謝罪を表明しました。
「グリーンランドの人々であったがゆえに受けた不正に対し、デンマークを代表しておわび申し上げます」と演説し、政策が民族差別に基づいたものであったことを認めました。
これは歴史的な謝罪であり、これまで沈黙を保ってきたデンマーク政府が、公に責任を認めた瞬間でもあります。
首相の発言は、被害者たちや人権団体にとって大きな意味を持ちました。
🇩🇰強制避妊:デンマークを毒するスキャンダル
— ShortShort News (@ShortShort_News) September 25, 2025
‘‘デンマーク首相、何十年にもわたって強制的に不妊手術を受けさせられたグリーンランドの女性たちに公式に謝罪’’
元投稿:https://t.co/up0yZrfHkV pic.twitter.com/j5VVLmgE8X
補償基金と今後の調査の行方
デンマーク政府は、公式謝罪とともに、被害女性たちへの金銭的補償を行うための基金を設立する方針を表明しました。
この基金は、強制避妊政策によって精神的・身体的苦痛を受けた女性たちに対する補償金の支払いを目的としています。
しかし、具体的な金額や支給対象者の範囲など、詳細はまだ明確になっておらず、今後の議論が必要とされています。
一方、デンマークとグリーンランド両政府が設置した調査委員会は、当時の政策がどのような意図で行われ、どのように実施されたのかを明らかにするため、資料の分析や関係者の聞き取り調査を進めています。
調査結果の公表は2025年5月を予定しており、その内容によってはさらなる補償範囲の拡大や政策の見直しにつながる可能性もあります。
被害者側は、「調査を待っている時間はない」と訴えつつも、調査の行方に注目しており、結果次第では裁判を起こす構えも見せています。
植民地支配から自治へ
グリーンランドは18世紀初頭からデンマークの植民地として統治されてきました。
1953年にデンマーク憲法の改正によって「植民地」ではなく「本国の一部」とされましたが、実質的な支配構造は変わらなかったと指摘されています。
1979年には住民投票を経て自治政府が設立され、現在では独自の首相・議会・旗を持つまでになりました。
しかし、通貨や外交、安全保障、司法制度などは依然としてデンマークの支配下にあり、完全な独立には至っていません。
こうした不均衡な構造が、デンマークによる人口政策や社会実験的な政策を可能にしてきた背景でもあるのです。
自治という表面的な制度だけではなく、構造的な従属関係が根強く残っていたことが、避妊政策のような問題を生み出す土壌になっていたといえるでしょう。
過去の政策に対する国際的な視点
グリーンランドで行われた強制避妊政策は、決してこの地域だけの問題ではありません。
同様の政策は、世界各国の先住民やマイノリティに対しても行われてきました。
例えば、スウェーデンでは20世紀半ばまで、先住民族サーミ人への強制不妊手術が実施されていた過去があります。
また、カナダやオーストラリアでも、先住民の子どもたちを家族から引き離して教育施設に収容する「同化政策」がとられ、後年になって人権侵害として謝罪されています。
こうした事例からも分かる通り、「少数民族の管理」や「福祉コストの削減」といった名目で、国家が個人の身体や人生をコントロールしようとする構造は、国境を越えて存在してきたのです。
グリーンランドの件は、過去の出来事をただ「反省」するだけでなく、未来に向けて人権をどう守っていくかという国際的な議論にもつながっています。
今後の補償や調査の進捗は、世界の人権意識に対しても大きな影響を与えるでしょう。
まとめ
今回の記事ではこんなことを書きました。以下に要点をまとめます。
- グリーンランドで1960年代に行われた強制避妊政策の実態とは
- 13歳の少女を含む4500人以上が同意なしにIUDを装着された
- 政策の背景には人口抑制や福祉予算削減の意図があった
- 被害者の声が高まり、デンマーク政府は2025年に調査結果を公表予定
- すでに公式謝罪がなされ、補償基金の設立も発表された
- グリーンランドとデンマークの歴史的関係から生まれた構造的な支配が背景にある
- 国際的にも先住民や少数民族への同様の人権侵害が問題視されている
日本でも過去に特定の病気に関して似たようなことがなされてきました。おそろしいことです。こういったことが二度と起こらないことを祈ります。
最後までご覧いただきありがとうございます。