今日は七宝焼きについて書いてみたいと思います。
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七宝(しっぽう)焼きとは
七宝焼きとは、美しいガラス質の釉薬(ゆうやく)を金属の下地に高温で焼き付けて装飾する日本の伝統工芸です。その魅力的な発色と風合いは、アクセサリーにもよく使用されています。七宝焼きの名前は仏典に由来しており、金・銀・瑪瑙・しゃこ・瑠璃・玻璃・珊瑚の7つの宝のように美しい焼き物であることから名付けられました。
七宝焼きの種類
七宝焼きにはいくつかの技法があります。主な種類を以下に紹介しますね。
- 有線七宝:
- 銀や胴などの金属線を使って模様を描く技法です。
- 職人の手作業で釉薬を塗布し、色の濃度で個体差が出ます。
- 無線七宝:
- 表面に金属線を使わない技法です。
- 途中までは有線七宝と同じ制作方法で、高温で焼成前に金属線を抜きます。これにより境界線がぼやけ、グラデーションを作り上げます。
- 象嵌七宝:
- 素地に文様のくぼみをつくり、釉薬を焼き付ける技法です。
- ヨーロッパなどで多く見られます。
- 省胎七宝:
- 最終工程で金属の土台を溶かして取り除く技法です。
- 金属部分がないため、観賞用の芸術品として用いられます。
七宝焼きの歴史
七宝焼きは金や銀、銅、鉄などの金属を素地とし、釉薬(ゆうやく)を塗って750~950℃で焼成して作る工芸品です。
その歴史は古代エジプトにまでさかのぼり、紀元前から存在していました。シルクロードを通って中国に伝わり日本には西暦750年頃に技法が伝えられました。七宝焼きは美しい模様と煌びやかな風合いが特徴で、アクセサリーや壺など幅広い作品が制作されています。
歴史が古いんですね!世界にもあるなんて知らなかったです。
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七宝焼きのアクセサリーを作るための基本的な手順とは
- 下地の準備:
- 金属の下地を選びます。銅や真鍮が一般的です。
- 下地を磨いてきれいにします。
- 釉薬の準備:
- 七宝焼き釉薬を選びます。色や質感によって異なります。
- 釉薬を均一に塗布するための筆を用意します。
- 七宝焼きの装飾:
- 下地に釉薬を塗布します。有線七宝や無線七宝などの技法を選択します。
- 細い金属線を使って模様を描いたり、ガラス粒子を配置したりします。
- 焼成:
- 作品を窯に入れて高温で焼成します。焼成温度は釉薬の種類により異なります。
- 焼成後、冷まして完成です。
注意点:
- 七宝焼きは専門的な技術を要するため、初心者はワークショップや専門家の指導を受けることをおすすめします。
- 安全に作業するために、適切な保護具(手袋、ゴーグルなど)を着用してください。
七宝焼きの窯元
七宝焼の窯元は日本各地に存在しており、伝統的な技術として美しい作品を提供しています。有名な窯元としては以下があります。
加藤七宝
加藤七宝製作所は伝統的工芸品である尾張七宝の窯元です。1947年に創業され愛知県名古屋市の西区香吞町に工房を備えています。七宝焼きの製造販売を行っており、アクセサリーから超絶技巧の壺まで幅広い七宝焼き製品を提供しています。
陶磁胎七宝
陶磁胎七宝(とうじたいしっぽう)は、陶磁器の表面に有線七宝または無線七宝を併用して釉薬(ゆうやく)を施した技法です。明治時代前期に盛んでしたが、制作後に表面に亀裂を生じる品があったり、銅胎七宝の発展に伴い次第に行われなくなりました。
この技法は金属胎七宝やガラス七宝とは異なり、陶磁器の上に七宝を施す特殊な方法で美しい作品が制作されていました。
尾張七宝
尾張七宝(おわりしっぽう)は、愛知県あま市および名古屋市一帯で作られている焼き物です。風景や花鳥風月などの華やかな図柄をあしらっており、仏典に言う七つの宝を散りばめられているように美しいという意味から「七宝」という名前が付きました。尾張七宝は銅や銀の金属素地の表面に色付きのガラス質の釉薬(ゆうやく)を施すことが特徴です。
田村七宝工芸
- 愛知県あま市七宝町にて1883年創業された窯元です。
- 鮮やかな美しさと繊細な技術で人々を魅了しています。
京七宝
京都で有名な七宝焼きの窯元で、伝統的な技法と美しいデザインで知られています。
東京七宝
東京を拠点にする窯元で、濤川惣助や平田彦四郎などが有名です。
これらの窯元は美しい模様と耐久性が魅力の七宝焼き作品を制作しています。
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まとめ
今回は七宝焼きについて調べてみました!日本の伝統的な工芸品である七宝焼きをこれからもずっと受け継がれていって欲しいですね。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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