インフルエンザで幻覚・奇声?子どもに見られる異常行動の実例と原因を解説!

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毎年のように流行するインフルエンザ。
最近では「異常行動」による事故が報道され、不安に感じている親御さんも多いのではないでしょうか。

実はこの異常行動、薬の副作用ではなく“インフルエンザそのもの”が原因とされており、特に10歳前後の子どもに多く見られると言われています。

では、どのような行動が「異常」とされ、どう対応すればよいのでしょうか?

この記事では、最新の医師の見解をもとに、原因・注意点・家庭でできる対策までをわかりやすく解説します。

お子さんの安全を守るために、今すぐ知っておきたい情報をまとめました。

ぜひ最後までご覧ください。

目次

インフルエンザで幻覚・奇声?子どもに多く見られる異常行動とは

高熱時に「幻覚を見る」「奇声を発する」などの異常行動は、インフルエンザに感染した子どもに多く見られる症状です。

特に発熱から2日以内は注意が必要とされており、保護者がその行動に気づかず事故につながるケースもあります。

突然の走り出しや飛び降り行動の実例

まず結論から言うと、インフルエンザによる異常行動は「突然外に飛び出す」「ベランダから飛び降りようとする」など、衝動的で危険なものが多いです。

その理由は、発熱によって脳が一時的に混乱し、現実の認識が曖昧になるからです。

たとえば、2025年11月には、東京都杉並区で小学1年生の男の子がインフルエンザで自宅療養中に4階から転落する事故が起きました。
母親が外出中だったため、男の子は1人で留守番をしていたそうです。

このような事故の背景には、「部屋から飛び出す」「窓を開ける」といった予期せぬ行動が潜んでいます。

子どもが何かに追われている感覚を抱いたり、突然走り出したりするなどの異常行動は、特に10歳前後で多く報告されています。

奇声や幻覚など精神的混乱のパターン

インフルエンザによる異常行動は、身体的な行動だけでなく、精神的な混乱としても現れます。

具体的には、「自分の指をハムだと言ってかじる」「幻覚を見て“そこに誰かがいる”と話す」など、日常では見られないような言動が起こることがあります。

また、「突然笑い出す」「奇声を上げる」「おかしな敬語を使って話す」など、普段の様子からは考えられないような状態になる子どももいます。

これらは高熱により脳の機能が一時的に混乱し、現実との境界があいまいになることで起こるとされています。

親としては驚く行動かもしれませんが、これらは一時的なもので、適切な対処と見守りによって多くは落ち着いていきます。

これらの症状が事故に繋がるリスクもあるため、初期段階から目を離さない対応が求められます。

子どもが異常行動を起こす原因は?薬との関係はあるの?

インフルエンザによる異常行動の原因として、かつては「抗インフルエンザ薬の副作用ではないか」との見方がありました。

しかし近年の研究では、薬よりもインフルエンザウイルスそのものが原因とされる見解が主流になっています。

専門家の見解:ウイルスと中枢神経の関係

東京歯科大学の寺嶋教授によると、インフルエンザウイルスには中枢神経への影響があり、それが異常行動の引き金になっているとされています。

つまり、インフルエンザにかかると、熱によって脳が一時的にオーバーヒート状態になり、通常とは違った行動が出てしまうのです。

さらに、小児の脳はまだ発達途中であり、熱への耐性が弱いため、ちょっとした体調変化でも強く反応してしまうのが特徴です。

異常行動は「一過性の脳の興奮状態」であるため、落ち着けば回復するケースが多いとされています。

ただし、その興奮が高まると、本人の意思とは関係なく外へ飛び出すなどの危険行動につながるため、特に注意が必要です。

抗インフルエンザ薬の服用との関連性

以前は、抗インフルエンザ薬「タミフル」などを服用した際に異常行動が見られるとして、薬との関連性が強く疑われていました。

しかし近年の厚労省の調査や世界的な研究の結果、薬を使っていない場合でも異常行動は発生していることが明らかになっています。

つまり、薬の使用有無に関係なく異常行動が起きていることから、薬は主因ではないとする考えが主流です。

また、「リレンザ」「イナビル」「ゾフルーザ」など他の抗インフルエンザ薬との間にも、明確な因果関係は確認されていません。

そのため現在は、インフルエンザウイルス自体が中枢神経に影響を与えている可能性が高いという見方でほぼ一致しています。

発熱から2日が危険?異常行動が起きやすいタイミングと年齢

インフルエンザによる異常行動は、発熱から48時間以内に最も多く報告されています。
特に就寝後や早朝など、眠りから目覚めたタイミングに起こりやすい傾向があります。

この時期は熱も高く、脳への負荷が強くかかるため、異常行動が引き起こされやすくなるのです。

年齢としては、10歳前後の小児や未成年者にもっとも多く、特に男児に多いというデータもあります。

注意すべき年齢層と行動の特徴

インフルエンザによる異常行動は、全年齢で起こる可能性がありますが、もっとも報告が多いのは10歳前後の子どもたちです。

中でも、小学生の男の子に多く見られ、以下のような行動が代表例として報告されています。

  • 突然立ち上がって部屋を出ようとする
  • 「誰かに追われている」と感じて外へ飛び出す
  • ベランダや窓から飛び降りようとする
  • 自分の指を「ハムだ」と言いかじる
  • 母親に対して暴力的な行動をとる

これらの異常行動は、ほとんどが一過性のもので、熱が下がると自然に治まるケースが多いです。

ただし、「2時間以上続く異常行動」は脳症の可能性もあるため、緊急受診が必要とされています。

親ができる予防策は?家庭での3つの安全対策

異常行動を完全に防ぐことは難しいですが、事故を防ぐための対策は今すぐにでも実行可能です。
とくに感染初期の2日間は、家庭内での安全管理が重要になります。

ここでは医師のアドバイスをもとにした、実践的な3つの安全対策をご紹介します。

① 鍵の施錠を徹底する

最も基本的かつ重要なのが、玄関・窓・ベランダの鍵を必ずかけておくことです。
中には「2重ロック」を推奨する専門家もおり、外への飛び出しを物理的に防ぐことが第一です。

特にマンションやアパートの高層階に住んでいる家庭は、ベランダに出られないように対策を取りましょう。

② 就寝場所を1階や廊下側にする

可能であれば、ベランダに面していない部屋や1階で寝かせるのが理想的です。

外部と接する窓がない部屋や、鍵をかけやすい部屋を選ぶことで、突発的な行動による事故のリスクを下げることができます。

また、子どもが起きたときにすぐ気づけるよう、親が同じ部屋で過ごすことも有効です。

③ 夜間の室内環境を整える

異常行動は夜間にも起こりやすいため、真っ暗にせず、薄暗く照明をつけておくのもおすすめです。

また、部屋の中に危険な家具や尖ったものがないか、事前にチェックしておきましょう。

寝返りや歩き回りによる転倒を防ぐため、ベッドの位置や床の安全性も見直しておくと安心です。

このように、家庭内のちょっとした工夫で、異常行動による事故を未然に防ぐことができます。

異常行動が出たときの正しい対処法と病院に行く判断基準

もし子どもに異常行動が見られたら、まず大切なのは「冷静に観察すること」です。
ほとんどの場合は一過性で、数分〜数十分で落ち着きます。

しかし、一定の条件を満たす場合は、すぐに医療機関の受診を検討してください。

観察ポイントと初期対応のコツ

まずは以下のポイントを観察し、記録しておくと医師に正確な情報を伝えやすくなります。

  • どのような行動を取ったのか(例:「奇声」「徘徊」「飛び降りようとした」など)
  • 行動が始まった時間と、どれくらい続いたか
  • 発熱の状態(何度くらいか、下がっているか)
  • 薬を服用しているかどうか

そして、行動が始まった場合は周囲の安全確保を最優先してください。
無理に止めようとせず、危険な場所から遠ざけ、そばで様子を見守りましょう。

落ち着いたら、状況をメモに残しておくと今後の参考にもなります。

病院に行くべき判断基準

以下のような場合には、迷わず医療機関へ相談または救急受診を検討しましょう。

  • 異常行動が2時間以上続いている
  • けいれんや意識障害がある
  • 呼びかけに反応がまったくない
  • 嘔吐や激しい頭痛など、他の症状もある

特に脳症などの重篤な合併症が疑われる場合は、早期の処置が重要になります。

「少し様子を見れば大丈夫」という思い込みは禁物です。

不安がある場合は、かかりつけの小児科や地域の夜間救急相談にまず電話してみましょう。

まとめ

今回の記事では、インフルエンザと子どもの異常行動について、以下のポイントを解説しました。

  • インフルエンザの異常行動は薬ではなく感染自体が原因とされる
  • 発熱から2日以内に多く、特に10歳前後の子どもに注意が必要
  • 具体的な異常行動には「飛び降り」「幻覚」「奇声」などがある
  • 予防には施錠、寝室の工夫、夜間の環境整備が有効
  • 2時間以上続く場合や意識障害がある場合はすぐ受診を

異常行動は一過性のことが多いですが、命にかかわる事故につながる可能性もあるため油断は禁物です。

親ができる対策をしっかり行い、少しでも不安な行動があれば、遠慮せず医師に相談するようにしましょう。

最後までご覧いただきありがとうございます。

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