2025年9月13日、日本の太平洋沿岸に「津波予報(若干の海面変動)」が発表されました。
気象庁は「被害の心配はない」としていますが、「そもそもなぜこんな予報が出たの?」と不安になった人も多いのではないでしょうか。
今回の予報の背景には、ロシア・カムチャツカ半島沖で発生したマグニチュード7.5の地震があります。
震源は日本から遠く離れているにも関わらず、どうして日本沿岸に影響が出るのか……。
その理由としくみを、わかりやすく解説していきます。
この記事では以下の内容を詳しく紹介します👇
- 津波予報(若干の海面変動)が発表された理由と意味
- 地震の規模や震源の場所、津波との関係
- どの地域に、いつ影響が出るのか?
- 「津波注意報」との違い
- 実際に私たちが気をつけるべきこととは?
“心配ない”とはいえ、きちんと知っておくことが安心につながりますよ。
ぜひ最後までご覧ください。
津波予報(若干の海面変動)発表の理由は?
2025年9月13日に発表された「津波予報(若干の海面変動)」は、突然のニュースに驚いた人も多いはずです。
カムチャツカ半島付近でM7.5の地震。
— 真生 (@eoevo) September 13, 2025
日本でも気象庁が津波予報(若干の海面変動)を発表しました。
対象地域の沿岸では、今後1日程度は若干の海面変動が継続する可能性が高いと考えられるとのことですので、お気をつけくださいませ。https://t.co/qzAKh9VOj7
なぜ「若干の海面変動」とされたのか?
「若干の海面変動」という津波予報が出された最大の理由は、震源が遠く、津波の影響が小さいと判断されたからです。
2025年9月13日午前11時38分頃、ロシアのカムチャツカ半島付近でマグニチュード7.5の大きな地震が発生しました。
震源は北緯53.1度、東経160.4度付近、震源の深さは39.5kmとされています。
この地震によって海底が上下に動き、広範囲にわずかな海水の変動が起こる可能性があると判断されました。
しかし、地震が日本からかなり離れた海域だったため、被害につながる大きな津波の発生はないと見られています。
このように「若干の海面変動」とは、津波の高さが0.2m未満と予想される時に出される予報で、防災対応は必要ないレベルとされています。
とはいえ、港や湾内などでは潮位の変化で小型船舶が不安定になる可能性もあるため、注意が必要ですね。
津波注意報との違いは?
「津波注意報」と「若干の海面変動」の違いって、少しわかりづらいですよね。結論から言うと、この2つは“想定される津波の高さ”によって明確に区別されています。
気象庁が発表する津波に関する情報には、以下の3段階があります。
- 津波警報:予想される津波の高さが1m以上
- 津波注意報:予想される津波の高さが0.2m以上〜1m未満
- 若干の海面変動あり(津波予報):予想される海面変動が0.2m未満
今回のように「若干の海面変動」とされた場合は、津波の被害をもたらす可能性が極めて低いと判断されています。
そのため、避難指示や行動を求めることはありません。
一方、「津波注意報」が出た場合は避難が必要とされています。たとえ0.5mでも、潮流が速くなったり、人や小型船舶が流される危険性があるためです。
つまり、「若干の海面変動」は“念のためのお知らせレベル”、「津波注意報」は“実際に避難すべきレベル”というイメージを持つと分かりやすいですね。
これまでの類似ケースとの比較
今回の「若干の海面変動」が出されたケースは、実は過去にも何度か同様の事例があります。とくに注目すべきは、遠地地震(日本から遠く離れた場所での地震)による発表です。
たとえば、2021年には南米チリ沖でM8.1の地震が発生し、その際にも「若干の海面変動」が日本列島の太平洋沿岸全域に予測されました。
この時も大きな被害はなく、船舶関係者が注意する程度で済んでいます。
また、つい最近の2025年7月30日にも、カムチャツカ半島付近でM8.8の巨大地震が発生。その際は「津波注意報」も一部で発表され、実際に日本各地で10〜20cm程度の津波が観測されています。
今回(2025年9月13日)のケースでは、マグニチュードは7.5とやや小さめ。前回よりも震源が深く、エネルギーの海水への伝播が限定的と見られたため、「若干の海面変動」という判断になったと考えられます。
このように、震源の場所・深さ・規模によって判断が分かれるため、単純に“マグニチュードが大きいから危険”というわけではないんですね。
<海外地震 更新> 9/13(土) カムチャツカ半島付近(ロシア、カムチャツカ半島東岸) M7.5
— ウェザーニュース (@wni_jp) September 13, 2025
気象庁は津波予報(若干の海面変動)を発表しました。
若干の海面変動が予想されますが、被害の心配はありません。若干の海面変動が予想される時刻は、早い沿岸で13時00分頃です。https://t.co/oB9mrvOZc9… pic.twitter.com/2QLK5Dxi7w
カムチャツカ地震M7.5の影響とは?
今回の津波予報の発表に直結したのが、ロシア・カムチャツカ半島沖で発生したマグニチュード7.5の地震です。
地震の発生場所と規模の詳細
2025年9月13日午前11時38分ごろ、ロシア極東の**カムチャツカ半島沖(北緯53.1度、東経160.4度)**で、マグニチュード7.5の地震が発生しました。震源の深さは約39.5kmとされ、比較的浅い地震です。
この地震は、太平洋プレートと北アメリカプレートのプレート境界付近で発生しており、海底の断層が大きく動いたことが想定されています。
同地域では過去にもM7~M8クラスの大地震が何度も起きており、地震活動が非常に活発なエリアです。
今回の地震では、震源に近いカムチャツカ半島沿岸では津波の可能性も指摘されていますが、日本の気象庁は「日本では被害の心配なし」と明言しています。
日本に影響が出るメカニズム
カムチャツカ半島沖での地震が、なぜ日本に「若干の海面変動」をもたらすのでしょうか?その理由は、地震による海底の変動が津波を発生させる仕組みにあります。
地震が海底で起きると、断層のズレによって海底の地盤が一気に上下に動きます。この地盤の動きが、上にある大量の海水を押し上げたり引き下げたりして、海面が揺さぶられるのです。
この時に発生するのが「津波」。津波は地震波と違って、音も振動もなく、水そのものが移動する巨大な波なんですね。
今回のように、震源が日本から数千キロ離れていても、津波のエネルギーは広範囲に伝わるため、遠く離れた日本沿岸にもわずかな変動が及ぶことがあります。
ただし、津波のエネルギーは距離が遠くなるほど減衰しますし、伝わる方向や地形の影響も受けます。そのため、「海面が少し動く程度」で済むケースも多く、今回はその典型といえるパターンですね。
【津波情報 2025年9月13日】
— 特務機関NERV (@UN_NERV) September 13, 2025
津波予報(若干の海面変動)を発表しました。 pic.twitter.com/b00k65o5xN
津波発生の有無と現地の被害状況
2025年9月13日にカムチャツカ半島沖で発生したマグニチュード7.5の地震では、震源に近いロシア極東地域で津波の可能性が指摘されました。
米地質調査所(USGS)のデータによれば、震源はカムチャツカ半島の東約111km、深さ39.5kmとされています。この条件は津波を引き起こすのに十分な要素がそろっており、周辺国では一時的に津波への警戒が呼びかけられました。
ただし、現時点ではロシア国内で大きな津波被害の報告は確認されていません。沿岸部での若干の潮位変化が観測された可能性はありますが、建物や人命にかかわる影響は出ていないとみられます。
今回の地震は、2025年7月30日に同じくカムチャツカ付近で発生したM8.8の巨大地震と比較すると、規模・影響範囲ともに限定的です。そのため、日本の気象庁も「若干の海面変動があるが被害の心配はない」として、避難などの行動を求める予報は出していません。
現地の津波警報はすでに解除されており、今後の大きな変動も起こる可能性は低いと見られています。
海面変動が予想される地域と時刻一覧
「自分の住んでいる地域は大丈夫?」と気になる方も多いですよね。
影響がある沿岸地域まとめ
今回の「若干の海面変動」が予想されている沿岸地域は、日本列島の太平洋沿岸ほぼ全域にわたります。
具体的には、以下のようなエリアが対象とされています👇
- 北海道地方
北海道太平洋沿岸東部・中部・西部 - 東北地方
青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県、福島県 - 関東地方
茨城県、千葉県(九十九里・外房・内房)、相模湾・三浦半島 - 中部地方
伊豆諸島、小笠原諸島、静岡県、愛知県外海 - 近畿・四国地方
三重県南部、和歌山県、徳島県、高知県 - 九州・沖縄地方
宮崎県、鹿児島県東部、種子島・屋久島地方、
奄美群島・トカラ列島、沖縄本島地方、宮古島・八重山地方
これだけ広範囲に予報が出されるのは、地震が起きた場所の影響範囲が広く、津波エネルギーが太平洋全体に伝わる特性を持っているからなんです。
予想される時刻と注意点
気象庁の発表によると、もっとも早い地域では2025年9月13日 午後1時ごろから若干の海面変動が始まると予測されています。つまり、地震発生からおよそ1時間30分後には、日本の一部沿岸に影響が出るという計算ですね。
この変動は、大きな波というよりも、潮位がゆっくりと上下するようなイメージです。見た目には分かりにくいことも多く、気づかないうちに潮の流れが強くなることもあるので、港湾や釣り、磯遊びを予定している人は注意が必要です。
また、気象庁は「今後1日程度、海面変動が継続する可能性がある」とも発表しており、海のレジャーや作業を行う人には引き続き慎重な行動が求められます。
特に湾内や入り江では、波が反射・増幅することで局地的に潮位が変化しやすいため、漁港やマリーナを利用する際は最新の情報をチェックしておきましょう。
「若干の海面変動」で気をつけることは?
「被害の心配なし」と言われても、やっぱり気になりますよね。
海に近づいても大丈夫?
結論から言うと、すぐに避難が必要な状況ではありません。
ただし、完全に油断してよいわけでもないのが「若干の海面変動」です。
例えば、磯遊びや釣りをしているときに、突然潮位が上下したり、海流が速くなったりする可能性があります。とくに湾内や漁港などでは、海面の変化が目立たなくても、潮流に影響が出ることがあるんです。
また、小型のプレジャーボートや釣り船なども、岸壁での揺れやロープの緩みが生じることがあります。一見穏やかな海でも、普段と違う動きに気づいたら、無理をせず安全第一で行動するのが大切ですね。
船舶・漁業・海岸施設への注意点
「若干の海面変動」は一般の人には大きな影響がない場合が多いですが、海に関わる仕事やレジャーを行う人たちにとっては重要な情報です。
まず、小型船舶や漁船を係留している場合は、ロープのたるみや張りすぎに注意が必要です。海面が上下すると、船が揺れて衝突したり、最悪の場合は係留ロープが切れて流されることもあります。
また、荷揚げ作業や港湾施設での作業中に海面が急に上昇・下降すると、作業に支障をきたす可能性も。作業スケジュールの見直しや、一時中断の判断が求められる場面もあるかもしれません。
さらに、養殖業や定置網などの設備にも注意が必要です。潮流の変化で網が破れたり、魚が逃げ出してしまうリスクもゼロではないため、予報が出た際は設備の点検や補強をしておくと安心です。

ひとまず被害が大きくなさそうでよかったですね!でも注意は必要ですね。
まとめ
今回の記事ではこんなことを書きました。以下に要点をまとめます。
- 2025年9月13日、カムチャツカ半島沖でM7.5の地震が発生
- この影響で気象庁が「津波予報(若干の海面変動)」を発表
- 日本の太平洋沿岸広域で、海面の微小な変動が予想される
- 被害の心配はないが、港湾・漁業・海岸利用者は注意が必要
- 「津波注意報」との違いや、地震からの津波伝播メカニズムも解説
この予報は“念のためのお知らせ”であり、日常生活に支障が出るものではありません。とはいえ、自然現象に対する正しい理解と少しの注意が、万が一のトラブルを防いでくれます。
海辺に出かける予定がある人や、漁業関係者、港湾作業に従事する方は、最新情報をこまめに確認して、安全に過ごしてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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